読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

myatsumoto blog

マツモティウスです

特許庁の情報システムについて

例の特許庁の情報システム刷新の頓挫について興味があるので調べている
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20120120/379019/?ST=cio

とりあえず、まとめブログで探したのだが
http://alfalfalfa.com/archives/5124175.html
mP78iXTkの言ってることが尤もらしいので参考にして
報告書と照らし合わせてみたら全然違った。

特許庁の報告書に不備が60M項目あると書いてあったろ?
オレの説明したのはその中の1個の話w

とりあえず2chは1,000レスしか出来ないが説明欲しいか?

60Mステップは開発規模の話であって不備の話ではない。
報告書には

開 発 規 模 に つ い て は 、平 成 2 2 年 1 2 月 、約 6 0 M ス テ ッ プ に 達 す る と の 見 積 も り が T S O L か ら 示 さ れ た た め 、 三 者 は 規 模 削 減 策 の 検 討 を 開 始 し た

と書いてあった。一般的にはステップは行、Mはミリオンを指す。
つまり当初は6000万行書く見積もりだったということである。6000万行は凄い。しかも、その後

T S O L か ら は 、 そ の 後 、 設 計 書 の 共 通 化 に よ り 、 約 3 1 M ス テ ッ プ ま で 削 減 可 能 と の 案 が 示 さ れ た が 、 同 時 に 、 当 該 共 通 化 を 含 め た 設 計 書 の 修 正 に は 追 加 的 に 約 2 年 を 要 し 、 結 果 と し て 、 シ ス テ ム の 最 終 稼 働 は 現 行 予 定 か ら 3 年 遅 れ の 平 成 2 9 年 1 月 に な る と の 試 算 が 示 さ れ た 。

TSOL(東芝)から3000万行削減可能という見積もりが出されており更に凄い。

再びEuP54fOGの発言から

特許Aがある。
出願されたBは特許Aに引っかかっつ特許にならなかった。

翌年馬鹿が出願Cを出したがまたダブり。

しかし審査官が示した拒絶引用は取り消された出願Bだった。
BをみればAの情報が引ける。

そんな調子で何百も階層が出来て行く。
深層化された時点でまずGoogleアーキテクチャはハイ消えましたw

ところが10年経って係争中だった出願Bが審判で逆転されて無事特許になりました。

Bを参照してた出願Cは見直し、
複合参照してた物、全部見直し。
そをやな深層化されたサーチ文献を一発1秒検索してたのがNTTデータの作った1400億のシステムだった。

これはリンク構造の話をしているのだと思われる。
もし数百万以上あるであろう特許申請の特定のノードから辿りつけるノード全てを割り出し、何ステップで行けるかを1秒で出しているシステムならば凄いが、どうもそうは思えない。
本当の仕様はどのように複雑なのか、機能面の仕様を調べた。

まず技術報告書には

技 術 的 に は 、 刷 新 後 の 運 営 基 盤 シ ス テ ム が 、 既 存 の シ ス テ ム 構 造 の 根 本 的 な 見 直 し を 伴 う 記 録 原 本 一 元 化 を 中 心 と し た 新 規 の シ ス テ ム ア ー キ テ ク チ ャ を 採 用 し た こ と 、 構 造 的 に は 、 刷 新 の 対 象 と な る 既 存 の 事 務 処 理 シ ス テ ム が 、 年 3 4 万 件 ( 特 許 ) も の 出 願 受 付 か ら 権 利 登 録 等 に 至 る 多 岐 に わ た る 業 務 を 対 象 と し た 複 雑 か つ 大 規 模 な シ ス テ ム で あ る こ と と が あ い ま っ て 、 本 プ ロ ジ ェ ク ト は 、 技 術 的 難 易 度 が 高 い も の と な っ て い る 。

とある。年34万件は一日900件ほどの登録。
数字自体はそんなに多くないが、このシステムはよくある掲示板のような単純なシステムではないはずである。

特許庁業務・システム最適化計画」(改訂版)について
http://www.jpo.go.jp/torikumi/system/system_optimize_re.htm
ここに様々な概要が書いてある。

システム的な概要は

  1. 24時間365日のインターネット出願
  2. 公報発行のインターネット化
  3. インタラクティブ申請(申請書作成支援)
  4. 特許庁保有の出願情報等のリアルタイム提供・無料化
  5. 審査・審理関連情報の提供

とあった。詳しい説明を見ていく。

まずインフラ面は

現在、検索システムにおいて、年間2億アクセス以上の利用がなされているが、上記長期目標を実現する際のアクセスの増加に対応すること等により、審査業務のレベル(審査の質)を維持していく。

一日55万くらいのアクセスに耐えうるインフラを要求されている。これはサーバをそれなりに用意しなければならず、統合的な管理も必要なので、まあまあ面倒臭い。

次に実際のアプリケーションの機能部分
24時間365日のインターネット出願

いまは、出願受付は開庁日の9時から22時、発送、閲覧等は開庁日の9時から17時となっている

一般開放中に不具合が起きても対応が出来るように時間制限を設けていると思われる。そのクオリティを維持したまま年中無休の一般開放を実現するには、24時間体勢のサポセンみたいなのを入れる必要が出てくるだろう。

また、「検索機能の提供」については、現在、IPDLにおいても検索を行うことが可能であるが、これ以外に、特許庁の審査官が内部使用している検索システム(・Fターム検索に加え全文テキスト検索が可能 ・検索項目を自由に組み合わせる検索が可能 ・国内外の特許文献をシームレス、かつ、高速にスクリーニング可能等が特徴)が存在する。この検索システムは、サーバの負荷等の状況から、対外的に提供できる状態になっておらず、現段階では先行技術調査を専ら行う登録調査機関など、限定された形で対外的に提供されている形となっているが、産業界においては研究開発の戦略化などの観点から、検索機能の向上が重要であるとの意見も強い。

Fタームは特許文献の分類を示した記号である。1つの文献に対し複数つけられるのでタグ検索のような機能だと想像できる。全文検索とAND/OR検索と検索フィルタがあるようだが、対外的に提供できる状態になっていない、のでシステム自体は遅いのだろう。

インタラクティブ申請(申請書作成支援システム)の導入

現在、出願人・代理人が電子出願等のオンライン手続き(年間200万件以上)を行う際には、特許庁から提供される電子出願ソフトを、自己保有のパーソナルコンピュータにインストールすることが必要である。当該電子出願ソフトには、エラーチェック機能がついており、作成した出願等の手続書類に何らかの不備がある場合には、提出する前に警告がなされる仕組みとなっている。 しかしながら、現在のエラーチェック機能では、既に出願人から特許庁に提出された手続書類との連携を図ったチェック(例えば、特許の請求項数や申請人情報が既に特許庁に登録されている情報と一致しているか等のチェック)を行うことはできず、専ら出願人・代理人側で管理する必要がある。 このため、出願人の利便性を更に向上させる観点から、出願人が既に出願している同一案件に関する各種申請書類を作成する際に、特許庁のデータベースからオンラインでその出願内容に関する情報を予め申請書類に反映することにより、出願人の申請書作成を支援する機能(インタラクティブ申請(申請書作成支援システム))を新事務処理システム(平成23年1月を目途)により実現する。

要するにフォームに入力した時に既に取られたIDか、とか、既に登録した情報はフォームに入れておく、みたいなことをやりたいらしい。これはデータベースを参照してフォームの補完やエラーチェックを適宜行えば良いので大きな技術的障壁ではない。

データ提供のリアルタイム化

IPDLにおけるデータ提供については、現在、庁内データを再編集した「整理標準化データ」を用いているため、この再編集に要する期間(概ね2月程度)だけ公表の遅れが生じている。このため、複数の企業から「IPDLの経過情報の更新が遅い」との意見が出されるなど、データ提供をリアルタイム化することにつき産業界から要望されている。 また、登録公報に関し、現在、Xフォーマットのものについては、編纂外注期11間(概ね5週程度)が発生しているが、XMLフォーマットのものについては、自動編纂の対象となるため、Xフォーマットのものと比して編纂期間を概ね3週程度短縮することが可能である。 このような現状を踏まえ、新事務処理システムにおいては、システム構造の簡素化や公報自動編集の浸透等を通じて、再編集に要する期間をなくし、平成23年1月を目途にリアルタイム化することとする。

リアルタイム化、というので何かと思ったら登録から2ヶ月も情報公開が遅れているのをなくすということだった。

現在、IPDLから公報情報、リアルタイムではない経過情報等がインターネットを通じて広く一般に開放されており、毎月約450万件の検索が行われているが、企業における事業戦略や知財戦略の策定に有用な情報である包袋情報についてはIPDLを通じた無料提供が行われていない。 しかしながら、産業界からは、既に提供している公報情報、経過情報等に加え、包袋情報の無料提供を求める声が大きい。 欧州特許庁や米国特許商標庁においては、既に同様の包袋情報を無料で広く一般に提供しているという点も踏まえ、今後、包袋情報を公衆に対して無料で提供することとする。当面の措置として、平成 18年度初頭から試行的に無料提供を開始するが、本格的な提供は新事務処理システム(平成23年1月を目途)により対応することとする。

”包袋”とは、特許出願、商標出願等の出願経過で「出願以後の特許庁と出願人とのやりとり」を指す。これも構造としては指定された包袋の内容を文書として提示すれば良いだけなはずである。

検索機能の提供の拡大

現在、IPDLによって毎月約450万件の検索が行われているが、そこで提供されている検索機能は、特許庁の審査官が内部使用しているシステムと比較した場合、全文テキスト検索ができないなど機能が劣ることから、検索ツールの機能を充実させることが産業界から強く望まれている。

検索システムに関しては先程も出たが、一般向けのシステムでは全文検索が出来ない。一般向けに公開できない理由はおそらく遅くて止まってしまうからだろう。

以上、今後作られる予定であったシステムの主要な仕様に関してまとめた。
以前の仕様でもバッチプログラムで登録してるから1週間に1回しか更新が反映されないとか色々非効率な点があった。

この時点で以前のシステムは昔作られたものとは言え優秀であるとは言えない。この技術力では例の被引用探索などもっての他でありデマであると言えよう。そして、TSOLが対応するはずだった仕様に関しても技術的にはそこまで困難ではないと思われる。

次に業務体系の図を見てみたが、これは結構大変そうだった。
業務流れ図 -
http://www.jpo.go.jp/torikumi/system/pdf/system_optimize_re/shourai_1_3.pdf
f:id:myatsmoto:20120126074948j:plain
これは矢印の方向にデータを色々フォーマットして送っている図で、それぞれデータの内容を送信先に合わせて加工して送っている。どのようにフォーマットするかも上記資料に記載されている。
東芝の力量をよく知らないので何とも言えないが、頓挫の原因はこのあたりの内部利用ケースの複雑さにありそうだ。

ちなみに

本 プ ロ ジ ェ ク ト は 、 特 許 庁 、 T S O L 及 び ア ク セ ン チ ュ ア の 共 同 作 業 で は あ る も の の 、 受 注 者 た る T S O L の ス ケ ジ ュ ー ル 策 定 能 力 を 含 む プ ロ ジ ェ ク ト 管 理 能 力 ・ 設 計 開 発 能 力 が 十 分 で は 無 か っ た こ と が 、 プ ロ ジ ェ ク ト の 進 捗 を 大 き く 遅 延 さ せ た も の と 考 え ら れ る 。

とあり、特許庁アクセンチュアより東芝に怒っているようである。

コメントで技術検証委員会の議事録の存在を教えて頂いたので具体的な原因について調べた。
http://myatsumoto.hatenablog.com/entry/2012/01/27/040923